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王余魚沢での滞在制作について

青森のかれいざわアートICHIBAに参加させていただきます。

http://kareizawa-club.com/

サンショウウオの棲む森の観察会、りんご箱市場、カレーコンペ、魅力的な企画ばかりです。
皆さまぜひ遊びにいらしてくださいね。

会期は9/15〜23、滞在を通して生まれた作品を旧王余魚沢小学校の教室で展示させていただきます。
『Dear Someone』というタイトルで、写真家の鈴木竜一朗くんと、写真と音楽、それぞれのアプローチによる制作を進めていく予定です。

私の計画している『Dear Someone』は、音による、「まだ会ったことのない誰かへの手紙」からつくられる音楽です。
私の住む街や東京で普段一緒に過ごしている友人たちと、王余魚沢でこれから私が出会う人々との間で行き来する音の手紙が、新しい場所を探して旅するような作品にしたいと考えています。

ご協力いただいているのは現在、

石原晶子さん(まくらとジョーロ)
岩崎佐和さん
大塚惇平さん
片岡シンさん(片想い)×村野瑞希さん(ザ・なつやすみバンド)
鴨志田新悟さん
権頭真由さん(表現[hyogen])
佐藤公哉くん(表現[hyogen])
野田薫さん
FALSETTOS

です。皆さん、ありがとうございます。
レコーディングの際、その方に縁の場所を訪ねて、散歩したり、ゆっくりお話ししたりできたことは、自分にどんどん水がしみ込んでまた新しくわき上がってくるような、とても大事な経験でした。
そして、作品は向こうに着いてから生成されていくのですが、もうすでに旅が始まっているような、不思議な感覚なのです。

まだまだいろんな人に会いたいけれど、3日に出発。
この手紙と一緒にどんな方と出会えるのか、とても楽しみです。



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「Dear Someone」



音楽のこと:

音楽には、生まれた場所があります。
音楽はまた、記録することを通して、生まれた土地を離れ、どこかへ(それが遠くても)出発することができます。
会ったことのない人へ、音楽で手紙を書くとしたら、どんなふうでしょう。
私の住んでいる街の友人と、王余魚沢でこれから出会う人々による、まだ見ぬ誰かに宛てられた往復書簡が、一つの教室を満たします。そこには誰もいないのに、席を隣り合わせて座っているかのように空気をふるわせています。


写真のこと:

撮影を通じて対象と関係を結ぶとき、両側から向けられる意識のちょうど境界線にフィルムの膜があります。
フィルムという膜には透過性があるため、こちらの表があちらの裏で、あちらの表がこちらの裏という見方もできます。
ばらばらの土地で出会った人々が、私のまなざしそのものとしてか、鏡の世界からのものとしてか、こちらをじっと見ていて、訪れた人々の意識や記憶の合間を縫いながら、王余魚沢の教室を旅します。




「Dear Someone」は、音楽と写真による展示です。ある教室をよりどころとし、だれかとだれかのかすかな“かなめ”を描きます。



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